映画「国宝」に関する感想あれこれ
2025/6/19
映画の「国宝」を観てきた。映画の世界に集中したくてプレミアムシートにしてみたのだが、実に快適だった。そして3時間、物語の世界に没入できたのが快感だった。
吉沢亮と横浜流星は、習いも習ったり。教えた皆さんは教えも教えたり。「二人道成寺」の華やぎが最高だった。少年時代の東半コンビが楽しそうに車引の稽古をする場面が好きね。何もかも習っていることが楽しい時期があるのだ。
しかし、同じ状況のペアって難しいね。東半コンビが立役と女方だったら物語はこうなっていなかっただろう。
2人が回り道をして歌舞伎に戻るところは、自分も似た経験があるので物語の中で一番心に響いた。呼び戻してくれる仲間のありがたさよ…。
三浦貴大の興業会社社員が実際にいそうなキャラの深まり方で良かった。しのぶ姉さんは、彼女のこれまでが活きた役と演技だ。田中泯は、芸能の精霊であった!バイオレンス鴈治郎にはびっくりだ。
劇中に国立劇場の楽屋や、別の場所に移設されたらしい椅子が出てきて胸がキュッとなった。この作品、劇場が影の主役である。

2025/6/22
歌舞伎座夜の部に行ってきた。
演目は菊五郎と菊之助の襲名披露口上と「連獅子」と、映画の『国宝』に出てくる演目とかぶっているものがあってびっくりだ。
もうちょっと『国宝』の話を続ける。少年時代の喜久雄が半二郎親子の踊る「連獅子」を舞台袖から目を輝かせながら観るシーンがある。その後、喜久雄は半二郎を襲名することになるのだが、「連獅子」を観ている時と襲名披露口上の時の喜久雄の目の輝きが、別の人が演じているのに同じような輝きに見えたことに驚いた。
それから、口上の役は「役者が舞台上の役者を演じる」という難しい役だと思うのだが、出演者の皆さんは違和感なく演じていたのが素晴らしいと思った。特に田中泯のリアクションは演じている万菊の女方としての姿勢、さらにそのモデルにあったであろう役者さんも想起させるものだった。
歌舞伎の話に戻る。「連獅子」の菊之助は、子供ならば体がゆらゆらしそうなところもしっかり抑え込んでいてすごい子だ。
最後の幕の「芝浜皮財布」は私にとってのご当地の演目である。台詞に露月町、金杉橋、新銭座となじみの地名が出てくるのがうれしい。
今月の引幕はティファニー提供です。
名古屋ウィメンズマラソン民の感想「マラソンから歌舞伎へ」。

2025/7/6
映画の「国宝」で冒頭に出てくる舞踊「積恋雪関扉」の初演はは天明4(1784)年で、ちょうど今週の「べらぼう」のタイムラインとかぶることが分かった∑(゚Д゚)。
この踊り、お芝居の一部分となるのだが大友黒主がなぜか関守をやっていたり難解な演目である。
「べらぼう」では狂歌が和歌のパロディになっていて、こういうバックグラウンドが土壌にあるからこのような芝居ができるのかな…と思ったり。
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