続ブログションガネー

心にうつりゆくよしなしごと

歌舞伎座 十二月大歌舞伎 昼の部

歌舞伎座の十二月大歌舞伎昼の部を観てきた。先月に続き十三代目市川團十郎白猿襲名、八代目市川新之助初舞台の興行である。  

まずは「鞘當」。幸四郎松緑猿之助と同世代が揃う。松緑は先月の「助六」の意休に続き、いい敵役ぶりである。彼はこの2か月の興行で、いい重低音を響かせていると思った。

「京鹿子娘二人道成寺」は、菊之助勘九郎白拍子團十郎の押戻し。菊之助のゆったりとした振りと勘九郎の切れのある振りの対比が面白かった。鐘供養の最後の烏帽子を取るところで、菊之助が鐘の綱に烏帽子を掛ける成駒屋の型を見せたのが興味深い。

最後は新之助が粂寺弾正を演じる「毛抜」。新之助がこの役をやることについては、私は今も良いのかそうでないのか迷っている。「がんばった」「よくやっている」だけでこの舞台について考えるのを終わらせてはいけないのではないかと。しかし、「荒事は7,8歳の子供の心で演じよ」という言葉がこの舞台で何となく分かったような気もする。それから、弾正が驚くところなどところどころに十二代目團十郎の面影が見えた。

三演目通じて感じたのは、各演目で演奏される音楽が大薩摩(「鞘當」)と長唄(「二人道成寺」)と細棹三味線のみだったので飽きが来てしまったこと。そういえば夜の部も長唄(「團十郎娘」)と河東節(「助六」)とやはり細棹三味線のみである。うーむ。三味線音楽の多様性も歌舞伎の楽しみの一つなのだなあ…とこのことを通して思った。
それから、「鞘當」の最後は「土手の提灯」の唄で終わり、夜の部最後の「助六」は「土手の提灯」で始まというしりとり状態になっていることに気づいた。

今月の引幕。興行会社の枠を乗り越え、日比谷からゴジラがお祝いにやってきた。

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